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バリアフリー住宅へのリノベーションで知っておくべきポイント

リノベーションで自宅をバリアフリー化したいというニーズは年々高まっています。
住宅はライフステージの中で使い方が変わるので、家族の老化や介護などの場面を迎えてバリアフリー化を検討し始める人もいるでしょう。
今回は、バリアフリー住宅へのリノベーションを検討している人に向け、費用感や快適なリフォーム・リノベーションをするコツ、リノベーションの進め方などのお役立ち情報をご紹介します。

1.バリアフリー化の考え方・進め方

リノベーションを進める際には、バリアフリー化についての考え方と進め方をあらかじめ把握しておくと満足度の高いリノベーションができます。
まずは、バリアフリー化の考え方・進め方を確認していきましょう。

バリアフリー化の目的を明確に

自宅をバリアフリー化したい場合は、まずリノベーションの目的と目標を明確にしましょう。
家族が高齢化した、あるいは障がいがあるといった明確なリノベーションの目的がある場合なら、行動の特性をしっかりと理解して、自宅で生活する上での困難を把握することが大切です。
自宅内で車いすを使用するなら、車いすで通過できる寸法と通過しやすい寸法を考えます。
さらに方向転換できる寸法や車いすに座った目線の高さ、手の届く高さなどを考慮しながら施工計画を立てていきましょう。
また、車いす使用者は開き戸を自分で開け閉めすることが難しいので、ドアなどの開口部についても検討していきます。
半身不随など、体の左右どちらかの体の機能が低下している人が住む場合には、住む人の使いやすさを重視しながら手すりの向きと位置などを工夫し順番に配置します。
思うように体を動かしにくい人には、お風呂などに緊急用の非常ボタンなどを設置しておくと安心です。
引き戸の重さやサッシの動きなども、体が不自由な人でもスムーズに動かせる軽いタイプに変更すると良いでしょう。

バリアフリー化の方法を考える

何のためにリノベーションしバリアフリー化するかという目的が明確になったら、どの場所をどのように工事するかという方法を考えます。
バリアフリー化の方法はいくつかあるので、家族の意見や施工会社のアドバイスなどを踏まえてリノベーションする部分をリストアップしていきましょう。
例えば、段差を改修する必要がある場合には、新しくスロープを設置する他に、簡易的なスロープを適宜使用するだけで十分なケースもあるので、何がどの程度必要なのか、どんな方法が適切なのかを考えてみてください。

ハード面でしか対応できないこと

バリアフリー化には、設備のリフォームやリノベーションを行ってハード面で対応する他に、人がサポートすることで代替的に措置して対応することも可能な部分があります。
しかし、支援される、介護される側にとっても、誰かのサポートに頼ることに遠慮を感じたり、家族に負担をかけずに自立した生活を送りたいと思ったりするケースもあるので、人によるサポートというソフト面に頼ったバリアフリー化はあまりおすすめできません。
バリアフリー化はハード面でしか対応できないこと、ハード面で対応した方が快適な生活ができることも多いと言えるでしょう。
段差に困っている場合、高低差にスロープを設けることでハード面でも対応が可能です。
ドアの開け閉めが難しい場合はできる人がやるというソフト面での対応よりも、開閉しやすい構造のドアや自動式の引き戸などに替える対応の方が良いでしょう。
支援・介護される側もする側もストレスを減らし、快適に生活できる工夫が望ましいです。

2.どんなバリアフリー化があるの?

バリアフリー化のリノベーション事例を多く扱っている会社では、様々なバリアフリー工事の要望が集まってきます。
多くの事例を扱う個人設計事務所には、どのようなバリアフリー化への要望が寄せられているか、多くの人が困っている事例をご紹介しましょう。

・プッシュホンが高くて使えない
・玄関から車いすで家に上がれない
・玄関に座れる場所が欲しい
・室内ドアをレバーハンドルの引き戸にしたい
・室内の引き戸が重くて開閉できない
・車いすのまま洗面台を使いたい
・ガスコンロの火が心配だからIHに交換したい
・トイレと階段に手すりが欲しい
・階段にノンストップを付けたい
・浴室の床を滑りにくくして手すりを付けたい
・座っての生活が辛いので和室を洋室に替えたい
・照明機器のスイッチを人感センサーにしたい
・水栓を回せないから自動水栓にしたい
・コンセントの高さと位置を替えたい
・小さな段差が見えにくいので段差をなくしたい

手の届かない場所や、力を加えにくい部分などの設備変更を含めて、トータルでバリアフリー化を計画していきましょう。

3.間取りのポイント

住宅のバリアフリー化を考える場合、使い勝手の良い間取りを考えることが大切です。
リノベーション計画では間取りについて、寝室とトイレの距離を近くすることと、間仕切りを少なくすることが主なポイントとなります。
全体的な間取りを工夫しながら、寝室とトイレの動線を考えておくと夜中でも安心してトイレに行けます。
間仕切りを少なくすれば、介護する人と介護される人の気配がお互いに適度に感じられて安心でき、万が一の緊急時にも早急に対応できます。
また、リノベーション工事では部屋ごとの環境や日照を考慮することも間取りのポイントです。
寝たきりの高齢者は寝室で長い時間を過ごします。
だからこそ、寝室は日当たりが良い方位に配置して、大きな開口部を設けて屋外からも出入りできるように工夫すると良いでしょう。
さらに、快適なリノベーションを実現するためには、間取りの効果的な場所に手すりを設置することもポイントとなります。
手すりは自宅の中で体の向きを変える動作を行う場所に設けるように配慮して、玄関やお風呂、トイレなどを使う人の動作から細やかに考えて設置しましょう。

3.玄関、トイレ、廊下、お風呂の改修ポイント

バリアフリー化のリノベーションで多く改修が行われる部分については、それぞれに改修のポイントがあります。

玄関

道路からのアプローチも含めて段差が多い傾向のある玄関はバリアとなりがちです。
玄関と一階の床面の段差については無い方が良いものの、段差が7~8cm程度なら置き型の小型スロープを活用しても良いでしょう。
手すりを設けて座れるスペースを確保すると使いやすくなります。
玄関ドアは引き戸にして、庇を深く取っておくと雨に濡れずに家に入れるのでおすすめです。

トイレ

トイレスペースは可能な限り広いほうが良いものの、スペースに限りがある場合は便座に座った状態で両側に手すりを設けると負担が軽減されます。
可能であれば介助スペースを確保し、難しい場合にはコンパクトトイレなどを活用して少しでも広さを保つようにしましょう
ドアは引き戸か折れ戸、スライド回転するドアなどが良いです。
外開きのドアは車いすの利用者にとって入りにくいばかりか、閉めにくく使いづらいので避けてください。
足腰が弱い人にとっては便座に座る動作そのものが困難になるため、スイッチ操作で便座が昇降するトレイもおすすめです。

廊下

日本の一般的な住宅の廊下幅は80cm程度で、幅65cmの室内用車いすでも通行が可能です。
ただし、直進する場合でも多少は左右にぶれるので、余裕を持たせたい場合には幅を10cm程度広く取ると良いでしょう。
手すりを付ける場合は車いすに当たらないか、手すりの高さが適切かなどを検討してください。
夜間にトイレに行く場合に足元が見えるように、廊下にはフットライトを設置するとより安心です。

お風呂

お風呂のバリアフリー化では、次のポイントを抑えて計画していきましょう。

・滑り対策、転倒対策
・またぎやすい縁の低い浴槽
・膝上ぐらいの浅い浴槽
・段差の無い出入り口
・寒暖差(ヒートショック)対策

滑りやすさと温度変化から思わぬ事故が起きやすいお風呂は、ぜひリノベーションしたい場所と言えます。
在来工法のお風呂は、タイル張りの床と壁、埋め込みタイプ浴槽の浴室が多く、脱衣スペースと洗い場に段差があったり、浴槽の縁をまたぐには高すぎたりなどの問題がありがちです。
さらに、冷たいタイル張りの床、断熱性の低さなどから冬場のお風呂は寒く、寒暖差によるヒートショックが不安なので対策が必要です
最近のユニットバスは高齢者の安全も考慮して開発されていて、手すりなどのバリエーションも豊富に揃っているので、使いやすいものを選んでください。

4.バリアフリー化の場所ごとの費用

リノベーションでバリアフリー化する場合の気になる費用について、バリアフリー工事にかかる費用の目安を一部ご紹介します。

お風呂の改修費用

今あるお風呂を解体して、高齢者や体が不自由な人でも使いやすいユニットバスにする場合の費用は、約100~150万円が目安です。

トイレの改修費用

便器を車いす対応型便器などのバリアフリー配慮タイプに変更する場合には、30~50万円程度の費用がかかります。

手すりの設置

トイレ内や廊下などに手すりを設置する場合には5~10万円が工事費用の目安です。
ただし、手すりの設置本数や長さなどにより費用は変わります。

5.介護保険から工事費用が支給されるケース

リノベーションでバリアフリー化をする場合には、工事費用が介護保険から支給されるケースがあるので事前に確認しましょう。
介護認定で要介護もしくは要支援の認定を受けていると、バリアフリー化の工事費用の90%が限度額20万円まで支給されます。
支給対象は、「手すりの設置工事」「便器の交換工事」「段差の解消工事」などです。
さらに、自治体からの助成金が支給される場合もあるので、各市町村の窓口で相談しましょう。

6.まとめ

バリアフリー化のためにリノベーションをする場合には、自宅に十分なスペースが確保できているか、間取りをどうするか、家族間のプライバシーが確保できるか、コストに見合った工事ができるかなど検討すべきことがたくさんあります。
そのため、一般的な新築住宅を造る場合よりも、バリアフリー化リノベーションの経験とノウハウが求められます。
リノベーション工事を任せる会社はしっかりと見極めながら、不安なら経験豊富な個人設計事務所にサポートをお願いしてみてください。

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